ブログを始めて1年。
だいぶ慣れたなぁと思っていたら、この失敗。
油断禁物です。
以下、本文です↓
怒っている人が目の前にいると、「怒っているのは私のせい??」と反射的に思う癖のある私。
そんな風に思うのもしんどいので、いろいろ本を読んだ中で、ためになったのがこの2冊。
いずれも対人関係療法の精神科医、水島広子先生の著書です。


『「怒り」がスーッと消える本』では、怒る人への対処法として、
「怒っている人」は「困っている人」ととらえてみようと提案しています。
相手が怒っていたら、この人は何に困っているのだろうと考えよう、と書かれていて、
確かにこう考えると、メンタル的にダメージを受けにくい。ストレス耐性が強くなります。
この考え方は仕事でとても役立ちました。
それと、私はあまり怒らない方なのですが、これはどちらかというと「怒り」を表に出すことが嫌なので
出さないだけで、心の中ではざわざわしていました。
そういう自分の中の「怒り」とどう向き合うか、がこの本のテーマでとてもわかりやすく書かれています。
相手にムカッとした時の対処方法を具体的に知ることもできて、仕事でもプライベートでも活用できました。
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『ひとり居の記』川本三郎
朗らかで静かな佇まい。
恥ずかしながら、初めて川本三郎氏の本を読みました。
雑誌『東京人』に2012年から2015年にかけて掲載したエッセイをまとめた本書。
71歳の著者は、毎月のように日本のどこかの町に出掛けています。

映画ファン、鉄道ファン、旅行好きな人、皆、楽しめます。
特に心に残った一説。
「秩父の札所と府中の古墳」
《正月に秩父に行った。
秩父三十四ヵ所の札所のうちいくつかをまわる。初詣である。
年齢を取ると寺や神社が身近なものに思えてくる。
若い頃には考えられなかった》
その通りだなぁと付箋をつけました。
ブログを始めて1年になろうとしていますが、始めたころはこんなに神社仏閣を載せるブログになるとは
思っていませんでした。
ひょんなことから始めた遠州三十三観音めぐりも何故続けているかというと
お寺に行った時に日頃感じられない程、心が落ち着くから。
呼吸が深くなる感じ。
お寺を続けて回っていると、あまり手の入っていない小さな山間のお寺にも趣があって
人々の祈りが届いているように感じます。
ところで秩父。
《秩父の町は空襲に遭っていないためだろう。古い家が多く、街並みが落ち着いている》
と書かれていて、がぜん行きたくなりました。
仕事では答えを求められているので、慎重に答えるようにしていますが、
プライベートでは、自分の考えをすぐに言わないよう気を付けています。
聞ける人には、私の話を聞く姿勢をどちらがいいか、確認するようにしています。
それは、「ただ話を聞いてもらいたい」のか「アドバイスがほしい」のかの二つ。
大半は「ただ話を聞いてもらいたい」です。
それでもどうしたらいいかと聞かれたら、よくこう言っています。
「その状態を続けてもいいし、やめてもいい、一度棚上げにしてもいいと思うよ」
相談しがいのない答えかもしれませんが、どうするかを決めるのは本人なので
あえてこういう言い方をしています。
(不思議と現状を肯定してもらうと、動けるようになることが多いです)
それと、相談ごとに応じておすすめしている本があります。
喧嘩が多いと夫婦のことで悩む若い友人に、最近手渡したのがこちら。
「ベスト・パートナーになるために」ジョン・グレイ(著)

サブタイトルは、「男は火星から、女は金星からやってきた」。
異星人同士なので、そもそも合わないことが大前提ということで話がすすみます。
私が今でも参考にしている男性に対するアプローチを紹介します。
●男性は求められたときに、はじめて救いの手を差しのべる
→逆に男性から相談されるまでは口を出さない。
「どうしたの?」「何か心配事があるの?」「道に迷ったの?」
はタブー。
旦那さんが調子悪そうにしているとき、「大丈夫?」と何度も私が聞いたとき
よけいに具合悪くなるから言わないでと言われたことあり。
●男性は、相手にしてもらいたいと思えば、自分からストレートにその旨を伝える
→女性は相手が自分を愛してくれているのなら、当然黙っていても愛の手を
差しのべてくれるだろうと思ってしまう。
これは大きな間違い!男性は察する能力が著しく低い。
●男性に「YES」と言わせるには、
用件は短く、わかりやすく、回りくどい言い方はさける。
「食器を洗いたいんだけど、私手が離せないの」 → 「食器を洗ってちょうだい」
「今日は夕飯を作っている暇がないわ」 → 「今日、夕飯は外に食べに行きたいわ」
「新聞紙がたまっているわ」 → 「新聞紙を片づけてちょうだい」
そのとき「NO」の返事がかえってきても「そう、いいわ」と愛想よく答える
そうすると男性は次の頼み事の時には、より前向きな反応を示すのだそう。
渡す前に久々に読み返して、「あぁそうだった、気をつけよう」と思ったこと多数でした。
この本を読んでおくと、確実にトラブルは少なくなります。
一家に一冊、よりよいコミュニケーションのために本棚に置いておくのをおすすめしています。

羽海野チカ先生の作品は、誠実で温かい人物が描かれていることが多いけれど
自分勝手で嫌な奴を描かせたら、これも天下一品でした。
これだけでも読む価値ありだと思います。
人はよっぽど自分から変わろうとしない限り、外部からの働きかけでは
変わらないと思います。
自分の領域に浸食してきて、こちらをコントロールしようとする人には
いくら親とはいえ、「No」を言わなくてはいけない。
自分たちを守るために、三姉妹の長女と次女が言えたことに拍手。
『様々な人間が、何かを取り戻していく優しい物語です。』
と裏表紙に書かれてあるように、どの巻も心に沁み入る物語が満載です。
ほのぼのとする安定の読後感。

その様子はたくさんの作品で楽しむことができる。
気がつけば、ネコが登場する作品が好きでよく読んでいる。
ネコ本の原体験は、なんといっても大島弓子さんの『綿の国星』。

手元にあり、折に触れて読んでいる。
大島さんと飼い猫の日々を描いたこちらの本もおすすめ。

最近、感銘を受けたのが、ハルノ宵子さんの『それでも猫は出かけていく』。

ネコの出入りが自由な自宅に家猫・外猫、十数匹が出入りしている。
元気な子ばかりじゃなく、もう病気のオンパレード。
糸井重里さんは、「この家は野戦病院のよう」と言われたそうだ。
私がこの本を読んで何に感銘を受けたかというと、作者とネコの距離感。
来るものは拒まず、去る者は追わずとはよく言う言葉だけど、
これがもう徹底していて、来るものを献身的に面倒を見ている。
自分にはとうてい真似できない。
でもエッセイ自体は肩の力が抜けていて、いい感じなのである。
こんな素敵な本がたくさんあるので、ネコを飼わなくても外ネコで満足できているのだと思う。
絵柄とストーリーは淡々としていますが、その中身は濃いです。
『夕凪の街 桜の街』 こうの史代
(試し読みできます)
「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」
とありますが、一人でも多くに人に読んでもらいたいと心から思います。
私は、広島にはまだ行ったことがありません。
原爆のことはこの時期になるとテレビなどの報道で知っている程度です。
日本人として、一度は向き合わないといけないと思いつつ、
毎年この日を迎えていました。
この本は、原爆の漫画と知って躊躇していましたが、購入して以来、
たまに手にとって読んでいます。
声高に戦争のことを語っているのではなく、
淡々と日々の暮らしを描きつつ、
しかし、原爆前と後のちがいを克明に描いています。
原爆の後も生き残った人は、ご飯を食べ、お風呂に入り、
恋をしてと、生活が続いていきます。
その生活に原爆はひっそりと暗い影を落としています。
それでも時間は、ゆっくりいろんなことを飲み込みながら
前に前に進んでいきます。
この本は、深い絶望から確かな希望へと、
透明できれいな軌跡を描いている珠玉の作品です。

よしながふみさんもその一人。
『大奥』は映画とテレビドラマにもなりました。
男子のみが罹る謎の疫病(赤面疱瘡)によって、男子の人口が急速に減少し、
江戸城大奥でも権力が男から女へと移っていきます。
男女逆転大奥になるんですね。
この物語では、代々の将軍や要職にあった者たちも男性から女性に
置き換えられています。
12巻では、赤面疱瘡の治療方法が確立され、男性の人口が増えてきます。
華やかな町人文化が頂点に達する頃、今後は黒船が!というところで終了。
いよいよこれから幕末に向けて話が展開されます。
楽しみ~~~。
『きのう何食べた?』
こちらはゲイのカップルの日常を描いた作品。
当初、『モーニング』で連載が始まった時には驚きました。
『モーニング』は作家の人選が秀逸ですよね。
(最近では山岸涼子先生が、ジャンヌダルクを描いていますし)
この作品は、晩ごはんをつくる様子が時系列で描かれています。
同時進行で2~3品作っているので、その手際も見どころ。
これは他の料理本よりも参考になる!と思い、
一人暮らしを始めた息子に、この本全巻送るわと言ったところ
「遠慮しとく」とやんわり断られました。